2026年6月28日、向島市営住宅9街区のキッズルームで、タイルコースターやカフェトレイをつくるDIYイベントを開催しました。
当日は親子連れを中心に約15人が参加。リノベーションで使われるタイルなどの建材を手に取り、それぞれが色や柄を選びながら、オリジナルの作品を仕上げていきました。
長栄はなぜ、市営住宅でこうしたイベントを開催するのか。上席執行役員・入居促進・留学生支援部 部長の奥野雅裕が、当日の様子と、住民同士の関係づくりに取り組む理由をお話しします。

2026年6月28日、向島市営住宅9街区のキッズルームで、タイルコースターやカフェトレイをつくるDIYイベントを開催しました。
当日は親子連れを中心に約15人が参加。リノベーションで使われるタイルなどの建材を手に取り、それぞれが色や柄を選びながら、オリジナルの作品を仕上げていきました。
長栄はなぜ、市営住宅でこうしたイベントを開催するのか。上席執行役員・入居促進・留学生支援部 部長の奥野雅裕が、当日の様子と、住民同士の関係づくりに取り組む理由をお話しします。

私たち長栄は2023年度から、京都市と連携して向島市営住宅の住戸を改修し、子育て世帯を対象とした一般賃貸住宅として提供しています。この取り組みを進める中で考えてきたのが、以前から団地に暮らしている住民と、新しく入居した子育て世帯との関係。

同じ棟に住んでいれば、玄関や廊下で顔を合わせ、挨拶を交わすことはあります。ただ、そこからもう一歩踏み込んで会話をするには、きっかけが必要。
イベントを通じて一定の時間を一緒に過ごし、顔を知っていれば、次に会ったときに「この前一緒だったお子さん、元気にしてはるの」と声をかけやすくなります。そうした何気ない会話が生まれる入口を、私たちの側からつくれないか。今回のDIYイベントも、その思いから企画しました。

これまでにも、ハーバリウムづくりなどのワークショップを開いてきました。大規模なイベントとして、京都水族館を貸し切り、びわ湖大花火大会の貸し切りなど、入居者の皆さんに楽しんでいただいたこともあります。なかでも団地内で開くワークショップには、住んでいる場所の近くで顔を合わせ、一緒に手を動かせる良さがあります。

今回の会場となったのは、長栄が整備したキッズルーム。参加された方からは、「本当に無料で参加できるのですか」「つくったものを持って帰っていいのですか」といった声も聞かれました。こうしたイベントにまだ馴染みがなく、少し戸惑いながら訪れた方もいたのだと思います。
それでも、作業が始まると、子どもたちはタイルを組み合わせながら楽しそうに作品をつくっていました。ワークショップが終わった後も、キッズルームのおもちゃで遊び、「まだ帰りたくない」と話す子どももいました。
イベントをきっかけに、「ここに子どもが遊べる場所があったんだ」と知っていただけたことも、今回の成果の一つ。
一方で、参加者同士の会話が、最初から活発に生まれたわけではありません。住民同士の交流は、イベントを一度開けば完成するものではないからです。今回、同じ場所に集まり、互いの顔を知ったことが、次に団地内で会ったときの挨拶や会話につながっていく。まずは、その小さな接点を積み重ねていくことが大切だと考えています。
賃貸住宅の管理会社の仕事は、部屋を整え、入居者を募集し、設備の不具合に対応することだけではありません。物件を所有するオーナーの賃貸経営を支えると同時に、そこに住む方が快適に暮らせる環境をつくる。その間に立つことが、管理会社の役割です。
だからこそ、良い部屋をつくって入居していただき、「困ったことがあれば電話してください」で終わるのではなく、日々の暮らしにも目を向ける必要があると私たちは考えています。
イベントで住民の方と直接話すと、普段の管理業務だけでは気づけない声が届きます。たとえば、「夜に帰宅すると、エントランスが暗く感じる」といった話です。実際に住んでいる人だからこそ気づく課題を聞き、改善する。すると、「本当に対応してくれたんですね」と、次の信頼につながっていくのです。
入居者に長く、心地よく暮らしていただくことは、結果として物件の解約率を抑え、オーナーの安定した賃貸経営にもつながります。入居率だけを見るのではなく、入居した方がなぜ住み続けてくださるのかまで考えること。それが、長栄の管理のあり方と言えるでしょう。
また、参加者の喜ぶ姿を直接見ることは、スタッフにとっても、自分たちの仕事の価値を確かめる機会になっています。

こうした取り組みは、まだ十分に知られているとは言えません。「なぜ管理会社が無料でイベントを開くのだろう」と不思議に感じる方もいます。しかし、5年後、10年後には、住まいのハードだけでなく、暮らしを支えるサービスまで提供することが、管理会社にとって当たり前になっているかもしれません。
向島ニュータウンには、別の地域から引っ越し、周囲に知り合いがいない子育て世帯も暮らしています。そうした方々が地域とつながる入口をつくることも、住まいに関わる私たちが担える役割です。
今後は、子どもたちが楽しめる教室や体験の機会も、さらに広げていきたいと考えています。長栄が協賛するプロバスケットボールチームの選手によるバスケットボール教室や、プロスケーターによるスケート教室など、住んでいるだけではなかなか得られない体験も構想中。
子どもが楽しむ姿を見て、親も笑顔になる。その時間が、「ここに住んでよかった」「これからもここで暮らしたい」という気持ちにつながっていくはず。
大きな変化を一度に起こすのではなく、住民が集まる機会を地道につくり続ける。今回のDIYイベントを一つの足がかりとして、向島ニュータウンで暮らす人たちの間に、新しい会話と関係が育つ環境をつくっていきます。