“借りる”ではなく“暮らす”ための伴走
【向島ニュータウン再生プロジェクト④】

京都府向島ニュータウンの室内

私たち長栄は、創業以来「賃貸管理」を軸に事業を展開してきました。ただ、私たちが目指してきた管理とは、単なる“維持”や“トラブル対応”にとどまるものではありません。

時代が変わり、住まいに対する価値観も大きく変化しています。「借りる」ことから、「暮らす」ことへ。そうした変化の中で、私たちは“住む人の人生”に寄り添う賃貸管理を大切にしてきました。

京都府向島ニュータウンの風景

たとえば、私たちの管理する物件では、年間を通してさまざまな入居者向けイベントを開催しています。いちご狩りの貸し切りツアーや、琵琶湖の花火大会の観覧席、京都水族館のナイトイベント、さらには総額5000万円相当のプレゼントキャンペーンなど——、どれも一見すると「賃貸管理とは関係ない」ように思えるかもしれません。

花火大会のイメージ写真

しかし私たちにとって、こうした取り組みは「暮らしに彩りを添えること」そのものです。住まいとは、単なる箱ではありません。そこで生まれる思い出、つながり、感情こそが、暮らしの本質だと私たちは信じています。

さらに、イベント参加時にはアンケートも実施しています。夜間のエントランス照明が暗い、近隣の音が気になる——、といった細やかな声も、すぐに改善へとつなげます。私たちはその声を「クレーム」ではなく、「共に暮らしを良くするヒント」だと受け止めています。

管理会社の役割とは、建物を守ることだけでなく、人の暮らしを支える存在であること。その思いから、私たちは“入居者ファースト”を合言葉に、日々の業務に取り組んでいます。

京都府向島ニュータウンの公園

向島ニュータウンの再生プロジェクトでも、この姿勢は変わりません。新しく入居される子育て世帯と、もともと暮らしてこられた高齢の方々——、世代も背景も異なる住民同士が、自然に関わり合える場をつくることが、私たちのもう一つの役割だと考えています。

その一環として実施したのが、公園の遊具を住民の皆さんと一緒に塗り替えるワークショップでした。作業を通じて交わされる会話、仕上がりを一緒に眺める笑顔——、そのどれもが、地域の新たな“空気”を育てていくのです。

また、私たちは生活に寄り添うサービス面でもさまざまな工夫を行っています。

たとえば、入居者専用のECサイトでは、食品ロスや製品ロスとなる商品を特別価格でご提供。引越しや電気契約、家電の購入といった暮らしの“入口”から、住まい方そのものの“質”にまで関わっていくことを意識しています。

子育て世代に向けては、イベントだけでなく、日常的な見守りやつながりの中で安心を感じてもらえるよう、地域のNPOや子ども食堂とも連携。公的サービスだけでは届きづらい部分まで、私たちが“民間ならでは”のかたちで支援しています。

私たち長栄が考える管理とは、「暮らしの伴走者」としての役割です。

京都府向島ニュータウン

不動産の未来は、“建物”よりも“人”の側にあります。誰が、どう管理しているか。それが、物件の価値を決めていく時代です。

住む人にとって、私たちの存在が「理由のひとつ」になるように。安心も、楽しさも、心地よさも、すべてを支える管理のあり方を、これからも追求していきたいと考えています。