それでも、団地ぐらしの本質は、ハードではなくソフトにあると私たちは考えています。
たとえば、ご高齢の入居者の方が、子育て世帯のご家族に「ちょっと子ども見とくよ」と声をかける。あるいは、ワークショップで一緒になった親子同士が、次の週末も公園で顔を合わせる。そんな“ちょっとしたお節介”が、かえって今の社会には心地よく感じられることもあるのではないでしょうか。
団地には、多世代が共に住まう風景があります。同じ年齢層で固まりがちなタワーマンションや戸建て住宅とは異なり、年齢も背景も異なる人々が自然と隣り合う。このバランス感こそが、地域の中で子どもを育てていく、もうひとつの安心感につながるのだと思います。
もちろん、全てがスムーズにいくわけではありません。生活のスタイルや価値観の違いによる摩擦もあるでしょう。けれど、私たちは管理会社として、そうした“出会い”のきっかけを少しでもポジティブなものにできるよう、イベントや交流の場づくりに力を注いでいます。
それは「地域を元気にする」という大きな理想ではなく、「暮らしてみたら、ちょっと良かった」と感じていただくための、地に足のついた試みです。
団地ぐらしには、タワーマンションにはない“懐かしくも新しい豊かさ”があります。固定観念にとらわれず、余白や共助を含んだ暮らしを選ぶ——、それはきっと、ちょっと先を行く暮らし方なのかもしれません。
向島ニュータウンで、そんな「これからの暮らし」をご一緒できることを、私たちは心から楽しみにしています。